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今回は、子どもの事故の中でも重症度が高い溺水(できすい)について考えてみたいと思います。
わが国の溺死の実態は?
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小児の浴槽での溺水事故の発生状況
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例数
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●水中に沈んでいた、浮いているのを発見
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95
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●親が目を離したすきに風呂場に行った
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50
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●風呂場で遊んでいて転落
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24
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●父・母と入浴中
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21
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●浴槽で遊んでいて
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19
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●1人で入浴中
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18
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●痙攣発作
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14
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●兄・姉と入浴中
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7
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1995年の1年間に溺れて亡くなった乳幼児は、0歳(22人)、1〜4歳(176人)でした。不慮の事故で亡くなった0〜4歳の子どもは959人でしたので、溺死は21%を占めていることになります。
どこで溺れたかについてみると、0歳と1歳の溺死の8割は浴槽で溺れているのです。3歳以上になると浴槽で溺れて死ぬことは少なくなります。年齢が長ずると、川、湖、海での溺死が多くなっています。これらの数値は毎年ほとんど変化がみられません。
外国と比較すると
溺死の死亡率を外国と比べてみましょう。全人口でみると、わが国の溺死の死亡率はたいへん高いことがわかります。これは、乳幼児と老人の溺死が多いために全体の死亡率が高くなっているのです。わが国の1〜4歳の溺死率は、低い国の7倍以上となっています。特に1歳の溺死率が高く、その発生場所として「浴槽」の危険性に注目する必要があります(表下)。
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年齢階級別にみた不慮の溺死の死亡率(人口10万対)−国際比較
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総数
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0歳(a)
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1〜4歳
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5〜14歳
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15〜24歳
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日本
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4.5
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1.9
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3.7
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1.2
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1.0
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アメリカ(b)
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1.4
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2.1
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3.3
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1.1
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1.8
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フランス(c)
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1.0
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1.1
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1.4
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0.4
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0.8
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ドイツ (d)
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0.9
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0.5
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2.5
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1.0
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0.7
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イタリア(b)
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1.0
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0.0
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0.5
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0.5
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1.2
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イギリス(c)
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0.5
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0.3
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0.8
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0.1
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0.7
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(注)(a)0歳の死亡率は出生10万対の率である (b)1992年 (c)1993年 (d)1994年
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浴槽での溺水の発生状況は?
子どもが浴槽で溺れたときの状況についての調査結果を(表上)に示しました。1/3以上は、気がついたら浴槽に浮かんでいたという状況でした。大人と一緒に入浴していても溺れることがあるのです。
洗い場からの浴槽の縁の高さが50cm未満の浴槽で、残し湯をしている場合は溺水の可能性が高くなります。
乳幼児のいる家の浴室は?
ある市の乳幼児健診で、住んでいる家の浴槽の縁の高さを測定してもらいました(227軒)。その結果、危険性が高い50cm未満の家庭が7割を占めていました。また、いつも残し湯をしている、または、ときどきしている、と答えた家庭は7割もみられました。乳幼児が浴室に入らないような工夫は何もしていない家庭は6割ありました。これらの結果を総合すると、赤ちゃんが溺れる危険性は高い状況にあるといっていいと思います。
浴室での事故の実態は?
1歳6ヶ月健診のときに、風呂場で危険な目にあったかどうか227人のお母さんにたずねてみました。すると、1/3の赤ちゃんが、すべった、溺れた、やけどしたなどの危ない目にあった経験があると答えています。毎年、100人前後の赤ちゃんが溺れて亡くなっていますが、それは氷山の一角で、赤ちゃんが溺れる、あるいは溺れかかることは日常的に起こっているということを十分認識してください。
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